フコイダンと分子量
フコイダンは、下記のように六角形の部品が幾つもつながった構造です。
実際には、長い紐のようなものなのですけれど、分子同士の結合を考えると、六角形の部品が結合しているといえます。
この六角形の部品はフコースやガラクトースなどと言った成分ですが、それぞれは「単糖」と呼ばれます。これら、単糖がいくつも組み合わされ、更にその組み合わせが何度も繰り返されたものがフコイダンです。(破線部分同士がつながることで繰り返します)
構造中にはいくつもの硫酸基(-SO3O)が結合していることも知られており、「硫酸化フコース含有多糖類」と呼ばれることもあります。この様に、フコイダンはフコースやガラクトースがいくつも結合した基本構造をしています。これら基本構造が何度も繰り返された結果、その平均分子量は10万とも20万(*3)とも言われています。
アメリカ国立医学図書館のデータベースPubmedには、1,400以上のフコイダンに関する論文が登録されています。
大きなものを小さくしたらどうなるか?と言うのは、古今東西誰もが考えつく疑問です。
フコイダンの低分子化に関する論文はもちろん存在しますが、分子量が1,000を下回ると言う意味での論文はほんの数件しかありません。
それは、フコイダンをむやみに小さくするとフコイダン本来の働きを失ってしまうという、先達の研究者の実験結果や蓄積があるからです。
谷久典博士より
“私達の実験によると、フコイダンを小さくしていくと、分子量にしておよそ8,000あたりから働きが無くなることを確認しています。
原料による違いがあるかについても確認しましたが、トンガ産のモズクを原料としたものと、チリ産のコンブを原料したもののどちらも同様の結果を示しました。”
分子量とは
簡単に説明しますと、分子の質量(重さ)を基準にした物質の計測方法です。
原子や分子の世界はあまりにも小さいので、1つずつ大きさを測るのは非常に困難です。
代わりに、質量を比べることで大きさの目安にしようと言うのが、分子量の考え方です。
基本的には、分子量が大きいほど大きさも大きいということになります。
一般的には分子の質量が1,000を下回るものを低分子量(低分子)、1,000を超えるものを高分子量(高分子)と言います。
*3 Wikipediaによる(http://ja.wikipedia.org/wiki/フコイダン)