インフルエンザに対抗するための5つの対策
寒くなると風邪を引きやすくなってきます。また、インフルエンザウイルスが流行しやすい季節でもあります。
若くて体力のある健康な人の場合にはウイルスにかかっても命に関わる事は少ないですが、出来ればかかりたくないというのが本音でしょうし、たとえかかっても早く治したいというのが人情でしょう。
そこで今回は、インフルエンザについての情報や、予防や治療について書いてみたいと思います。
インフルエンザって何
まずは、敵を知るところから始めなければなりません。
インフルエンザとはどういう病気なのでしょうか?
・インフルエンザウイルスを原因とする感染症で風邪の様な症状が出るが、症状が風邪よりきつい傾向にある
答えは、上の様な内容になります。
インフルエンザの種類
インフルエンザウイルスに感染することで発症する病気をインフルエンザと呼びますが、インフルエンザには大きく2つの考え方があります。
一つは「季節性インフルエンザ」もう一つは「新型インフルエンザ」と呼ばれるものです。
季節性インフルエンザ
季節性インフルエンザと呼ばれるものは、日本では12月?3月頃に流行する傾向にあるインフルエンザです。
多くの方が既にかかったことがあり、からだには対抗手段が備わっています。
一度かかったのに何度もインフルエンザにかかってしまうのは、インフルエンザウイルスが微妙に変化を見せているからです。
新型インフルエンザ
新型インフルエンザは、その名の通り誰もがかかったことのないインフルエンザウイルスを指します。
からだには対抗手段が備わっていないため、季節に関わらず、流行が始まれば一気に広まります。
これをパンデミックと言う呼び方をすることもあります。
新型インフルエンザも季節性インフルエンザもインフルエンザであることに変わりはありませんが、対抗手段が体に備わっていないため、症状が重くなる傾向があり、死亡する方々も増える傾向にあります。
ウイルスの種類
インフルエンザウイルスには幾つもの種類がある事が知られています。
大きくは「A型」「B型」「C型」に分けることが出来ますが、これは一般人が知っていてもあまり役には立ちません。
季節性インフルエンザウイルスも、新型インフルエンザウイルスも、大抵はこれらのいずれかに当てはまります。
あくまでも、ウイルスの基本パターンがA型(もしくはその他の型)だと言うだけであって、A型にも幾つもの種類が存在します。
とは言え、基本パターンに対応した治療を行うことで、治りやすさが上がりますので、お医者様にとっては重要な情報です。
鼻の奥に細い綿棒を刺されるのは正直、嫌なものですが、これをやらなければどんなウイルスにかかっているか分かりません。
とりあえずと言うような使い方で薬を使っても意味はありませんので、大事な検査というわけです。
インフルエンザの対処法
さて、これまでインフルエンザがどういうものか書いてきましたが、どのように対処したら良いのでしょうか。
対処方法は「予防」と「治療」の二つに分けて考えることが出来ますが、治療は、お医者様にお任せすることとして、今回は予防を中心にお伝えします。
予防法
ワクチン
ワクチンと言うのは、力を失わせたインフルエンザウイルスを注射することで、からだに抵抗力を付けさせることが目的の方法です。
予防効果は、およそ60%と言われます。
正直なところ、インフルエンザにかからないと言うことを目的にするならば微妙な効果です。
しかし、ひとたびインフルエンザに感染した場合に、ワクチンを注射した人は症状が軽く済むことが知られています。
ワクチンは、かかった時に症状を軽く済ませることが最大の目的で、感染予防のおまけが付いてくるというわけです。
日常ケアによる予防:マスク
日常でできる予防方法は、どれだけ感染しにくくするかと言うのが最大のポイントです。
インフルエンザウイルスは、目、鼻、口の粘膜から体内に侵入します。
マスクは、非常に効果的です。
ただし、大きな勘違いをしている方が多いと思いますが、マスクを絶対にすべきなのは「インフルエンザにかかった人」です。
少々性能の良いマスクをしたからと言っても、感染を完全に防げるわけではありません。
けっして無駄ではありませんが、微妙なもの、くらいに思った方が良いでしょう。
(ただし、マスクにはもうひとつ、加湿という大きな効果があります。)
一方で、インフルエンザ患者がマスクをした場合、ウイルスが飛び散る範囲が大きく抑えられます。
インフルエンザウイルスは、咳などを通して「飛沫感染」する病気です。
インフルエンザ患者がウイルスを広範囲に撒き散らさなければ、みんなの感染を予防することが出来ます。
日常ケアによる予防:加湿
のどや口の中の健康は、一定の湿度を確保することで成立します。
のどや口を乾燥させてしまうと、防御力が損なわれてしまうのです。
そのため、加湿器を使って室内の乾燥を防ぐ必要があります。
また、マスクは良い加湿器にもなります。
マスクをしていると、眼鏡が曇るという体験をされた方もおられるでしょうが、人は呼吸する時にどんどんと水分を蒸発させています。
マスクによって水分の蒸発を防ぎ、吸う息に湿気を与えることが出来るのです。
日常ケアによる予防:うがい
うがいは、のどの奥や口の中に病原菌が繁殖するのを防ぐ効果があります。
大事なポイントは、殺菌効果のあるうがい薬は使わないことです。
使って良いのは、
・清潔な水やぬるま湯
・お茶
・重曹水
と言ったものです。お茶や重曹水には、殺菌効果はありませんが、菌の繁殖を抑える働きがあります。
多くの人は、何を勘違いしたか、真っ赤な?うがい薬を有難がって使う傾向にあるようですが、大きな間違いです。
人間のからだは、様々な方法で病気からからだを守っていますが、口の中やのどでは、粘膜(口の中やのどの表面の湿った部分)や粘液(つばの様なからだから分泌される体液)に加えて、常在細菌が働くことで守りを固めています。
殺菌効果のあるうがい薬を使うことは、常在細菌の守りを放棄することになります。
日常ケアによる予防:手洗い
手洗いは、非常に効果的な予防方法の一つです。
通常の場合には、殺菌効果のあるものはお勧めしないのですが、インフルエンザなどのウイルスに対抗する場合には、殺菌力のある洗剤を使います。
通常の石鹸を使った後に、アルコールを使って消毒するのも良い方法です。
(あくまでも、インフルエンザなど感染症が流行しているなどの理由があるときだけです。)
手についたウイルスは、その手を通して様々な場所に移動してしまいます。
食事を通して口の中に入ったり、顔を触った時に、目や鼻や口から侵入したりしてしまいます。
感染した人も、感染してない人も、積極的に手を洗って消毒しましょう。
日常ケアによる予防:栄養や休息
栄養や休息は、からだの抵抗力を高めるために非常に効果的です。
例えば、睡眠不足は疲労を蓄積するため、非常に良くありません。
疲労が溜まると、ウイルスに対する抵抗力が弱まることが知られています。
普段から、休養と栄養のバランスに気をつけましょう。
今回は、インフルエンザとその対処方法についてお伝えしました。
参考文献
厚生労働省 インフルエンザQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html