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血流を減らして脱毛を防ぐ?(フローズンキャップ)

抜けることを前提としたケア

抗がん剤の副作用には様々なものがありますが、そのひとつに脱毛があります。
男性であっても女性であっても、毛髪が抜けるのはショッキングな体験です。

あらかじめ、髪の毛を短くしておくことでショックを和らげたり、抜ける前からウィッグを使ったお洒落を全面に押し出して、脱毛していることを周囲に気づかれずに過ごすと言う対策もあります。

これらの対処法に共通するのは、抜けた(抜ける)ことを前提として、いかにケアするかというもので、出来るだけ抜けないようにという考え方ではありません。

育毛や増毛と言えば、清潔な頭皮と血流が大事という話を聞いたことがあるかもしれません。
また、リ◯ップの様な薬を使うことを考える方もいるかもしれません。
しかしながらこの様な対処法で、抗がん剤の副作用による脱毛を予防するのは困難です。
特に、頭皮の血流増加は鬼門です。

抗がん剤を使うことで脱毛を起こす理由は、毛根がダメージを受けて髪の毛が抜けてしまうからです。
髪の毛は、徐々に延びていき、ある程度延びたら次の髪の毛が生えてきてスタンバイします。
抜けたときには、スタンバイしていた髪の毛が代わりに伸びて、の繰り返しです。

伸びるよりも早く抜けてしまうので、脱毛ということになるのです。

これは、抗がん剤が毛細血管を通して毛根にダメージを与えている、すなわち血液が頭皮の隅々にまで行き渡っていることが原因です。
ならば、頭皮の血流を妨げてやれば、脱毛をしなくなるのではないか?
というのが、基本的なアイディアとなります。

脱毛を予防するフローズンキャップ

そこで登場するのが、フローズンキャップやフローズングローブです。
フローズンキャップというのは、帽子を冷やしてかぶることで頭皮の血流を妨げ、抗がん剤が頭皮に行き渡るのを防ぎます。
これを抗がん剤投与中(点滴中)にずっと行います。

フローズングローブというのは、その名の通り冷やすための手袋です。
抗がん剤によって、爪の形が変わる、割れるなどの副作用が出ることがありますが、この様な副作用を防ぐのです。

単に冷やすだけといえば、そうなのですけれど、治療中(点滴中)に行わなければいけませんので「医師や看護師」の協力がなければ行なえません。
また、ちょっと冷やすくらい、と思いがちですが、長時間冷やし続けると、冷やしているところがジンジンして痛くなります。

フローズングローブの体験者に聞いたことがありますけれど、「辛いです」と言われていました。
「けれども、効果はあります」「どちらが良いかはそれぞれだけど、私は使うことを選択しました」と言われていました。

血流は、キャップやグローブを使っている場所に影響するだけで、がん治療には全く影響を及ぼさないことも、確認されています。

抗がん剤での脱毛は、髪の毛の長さにもよりますが、抗がん剤の投与が終わるとおよそ半年くらいで通常のサイクルに戻ると言われていますので、無理をしてキャップやグローブをする必要はありません。

とはいえ、投与と同じ数だけ我慢すれば脱毛や爪の変形が防げるというのは、決して悪い話では無いと思います。

脱毛が起こりやすい抗がん剤を投与するような場合には、一度お医者様にご相談してみられてはいかがでしょうか。