免疫力を高める方法とは!?毎日の生活と食事が大切
免疫力とは、体の健康を保つために必要な抵抗力のことをさします。免疫力が低下していると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。免疫力を高めるためには、毎日の生活習慣と食事が大切です。今回は、免疫力を高めるために有効な毎日の生活習慣と食事方法について紹介します。
免疫力を高めると体によい理由
免疫力を高めると体によいというのは、多くの方が知っているかもしれません。では、なぜ免疫力を高めると体によいのでしょうか。免疫力は、体の外から侵入してくるウィルスや細菌、カビなどに対して抵抗する力のことです。つまり、免疫力が低下していると感染症にかかりやすくなるだけでなく、症状がいつもより悪化することや、なかなか治らないという状態になることがあります。
免疫力を高めることができれば、そもそも風邪などの感染症にかかりづらくなり、もしかかったとしても数日で回復します。実際に免疫力が低いといわれている子どもや妊婦、高齢者、腎臓病や心臓病、糖尿病などの持病をもっている方においては、風邪やインフルエンザにかかりやすいだけでなく、合併症を引き起こす確率も高いことがわかっています。
免疫力を高めると、体にとって有害なウィルスや細菌などから体を守ることができるので、健康維持のためには免疫力がとても重要です。
免疫力を高める生活習慣
最近体の疲れが取れづらい、風邪をひきやすくなった、前より風邪が治りづらい、などと感じている方は免疫力が低下している可能性があります。体に病気があるわけでなくても、毎日の悪い生活習慣によって免疫力を低下させていることがあるので要注意です。例えば、過度なストレス、睡眠不足、喫煙、運動不足などは免疫力を低下させるといわれています。
人間には交感神経と副交感神経という2つの神経があり、まとめて自律神経とよばれます。自律神経のバランスが保たれていると免疫力は正常に保たれると考えられています。交感神経は主に、起きている時や集中している時、興奮している時などにはたらく神経です。
一方で、副交感神経は寝ている時やリラックスしている時にはたらく神経です。また、それぞれの神経は免疫に関わる細胞である血液中の顆粒球(かりゅうきゅう)やリンパ球のバランスを保つ役割もあります。しかし、過度なストレスや睡眠不足などは交感神経のはたらきを過剰にしてしまうので、免疫に関わる細胞のバランスも崩れてしまいます。
免疫力を高めるためには、毎日十分な睡眠をとること、30分程度でもよいので適度な運動を毎日すること、自分なりのストレス発散方法を見つけておくこと、禁煙など生活習慣を正すとよいです。
免疫力を高める食事方法
伝統的な和食は、栄養バランスがよく、免疫力の向上のためにもよいといわれてきました。しかし、食生活の欧米化が進み、忙しい現代人はファーストフードやコンビニエンスストアなどで高脂肪、高カロリーのすぐにお腹がいっぱいになる食事を摂る傾向があります。バランスの悪い食生活を続けていると、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を引き起こすだけでなく、免疫力が低下するので風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
具体的に免疫力を低下させる食事内容として、脂質や糖質、赤肉の摂取過剰、食物繊維の摂取不足、アルコールの大量摂取などが挙げられます。腸管は体全体の免疫の約60-70%を担うとされており、毎日の食事は腸管免疫に大きな影響を与えます。
食物繊維は、腸内に存在する善玉菌のえさになるので、腸内環境を良好に保ちます。また、十分な食物繊維を摂ると、腸管の免疫細胞を刺激するので免疫力を高めるといわれています。
食物繊維は、野菜や豆類、海藻類などに多く含まれています。例えば昆布などに含まれる水溶性食物繊維のフコイダンは、腸管から免疫力を高めることがわかっているので注目されている成分です。
豚肉や牛肉、羊肉などの赤肉は、体に炎症を起こし免疫力を低下させる可能性が指摘されています。赤肉は鉄分を豊富に含むので貧血の改善にはよいですが、摂りすぎには気をつけましょう。
まとめ
免疫力が低下していると風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることがわかっています。交感神経が過剰にはたらくようなストレス、睡眠不足やバランスの悪い食事は免疫力を低下させるようです。毎日の生活習慣や食生活を見直して、免疫力を高めて健康を維持したいものです。
この記事を書いた人
大塚真紀
東京大学大学院医学系研究科卒。 内科医師として10年勤務。腎臓と透析が専門。現在はアメリカに滞在し主婦をしながら医療系記事ライティングに従事。医師としての記事の監修、医学生用のコンテンツ作成経験有。