2分で解るフコキサンチンのすべて。
フコキサンチンと検索すると、様々なページが表示されますが、まだまだ知名度が低い成分ということもあり、フコキサンチンを直接検索される方は少ないと思います。加えて、発信される情報も少ないためフコキサンチンがどのようなものなのか分かりづらいのが現状です。
フコキサンチンとは
フコキサンチンは、褐藻類に特有の成分のひとつです。海の中のコンブやモズク、ワカメと言った褐藻類は褐色をしていますが、この「褐色」の元がフコキサンチンです。
一部の販売店では、フコキサンチンをフコイダンの一部だと表現しているところもあるようですが、これは全くの誤りです。
フコキサンチンは、植物だけが持っている色の元「カロテノイド」の仲間です。にんじんやトマトといったフコイダンとは全く関係ない植物にも含まれている成分ですから、フコイダンの一部である筈もありません。
話を戻しますと、フコキサンチンとは褐藻類に含まれる色素成分ですから、およそ褐藻類であればどのようなものにも含まれます。
原料の違いによる性質や特徴も、確認できるほどの差はありません。
フコキサンチンの特徴
フコキサンチンには様々な特徴があります。*
- ・ビタミンA(レチノール)と構造が似ていることから、RBP(レチノール結合タンパク質)との親和性が高い。
- ・腫瘍細胞上に特異的に発現するFasリガンドと反応する。
- ・後述する不安定な性質から、活性酸素と結びつきやすい。
- ・適切に使えば、細胞増殖因子を活性化することが出来る。
- ・白色脂肪細胞に特別なタンパク質発現を誘導し、燃焼を助ける。
少々駆け足で特徴をご紹介いたしましたが、これ以上詳細に説明してしまうと薬機法に抵触してしまうことからここでは控えさせて頂きます。
ということで、今回はフコキサンチンの性質に注目したいと思います。
フコキサンチンを販売しているページでよく言われる、フコキサンチンは不安定だという意見ですが、どういうことなのか?
先に挙げた特徴に劣らず、みなさま気になる情報ではないかと思います。
フコキサンチンは不安定?
確かにフコキサンチンは熱に弱く、酸化しやすいと言う性質を持っている成分です。
およそ60℃で変化を始めますので、抽出の際に熱を加えてしまうとうまく抽出出来ないといったことになります。
フコキサンチンの製造工程でも熱を使う必要はありますが、60℃にははるか及ばないレベルにコントロールされます。
また酸化しやすいので、抽出後、適切な処理をしなければ、酸素分子と結合してしまいます。
この問題をクリアしなければ、フコキサンチンをお届けすることは出来ません。
この不安定だという特徴に絡めて、「液体でなければフコキサンチンは壊れてしまう」とか「オイルの状態でなければフコキサンチンは壊れてしまう」という意見が書かれているのを見ることがあります。
フコキサンチンの性質の一つに「油(脂)に溶けやすく、水に溶けにくい」というものがあります。
オイル状にしてカプセルに封じ込めてしまえば、酸素に触れる機会が減り、酸化を抑えることが出来るという考え方は理にかなったものです。
それでは、粉末状には出来ないかといえばそのようなことはありません。要はフコキサンチンが直接酸素に触れなければいいわけです。
フコキサンチンを安定させるには
例えば、フコキサンチンの周りを小さな(少ない)オイルで覆ってしまえば、それが可能です。
しかし、オイルで覆われただけのフコキサンチンを集めてしまうと、オイル同士がくっついてしまい、ドロっとした状態になって粉末状にはなりません。
そこで、オイルで覆われた状態のフコキサンチンを更に何かで覆う事が必要になります。
その材料として選んだのが、フコイダンです。フコイダンは水に溶けやすく脂に溶けにくいと言う性質を持っていますので、オイルに覆われたフコキサンチンを覆っても、オイルの影響を受けることはありません。
いわば、小さなカプセルを作ってその中にフコキサンチンを入れているというイメージです。
ハイドロックス社製のフコキサンチンは、微細なフコキサンチンを小さな(少ない)オイルで覆い、更にフコイダンで覆うことで粉末化を実現しているのです。
今回は、フコキサンチンの概要とともに、フコキサンチンが持つ物質としての性質に着目してみました。
参考文献
* 褐色色素フコキサンチンの機能性と有効活用(宮下和夫)
http://agri-renkei.jp/news/docs/20141212seminar_miyashita.pdf
最終更新日:2017/09/27 参考文献の記載と、白色脂肪細胞についてを追加しました。