簡単そうで大変な健康維持(様々な病気の原因)
世の中には、いろんな病気が存在します。
インフルエンザ、胃潰瘍、がん、etc
これら病気の原因は、インフルエンザであればウィルス感染ですし、胃潰瘍の場合もピロリ菌感染かもしれません。
がんの場合は、以前お話したように、細胞の遺伝子異常と言えます。
しかし、これらだけでなく数多くの病気において共通する原因というのがあります。
それは、体のバランスが崩れた、バランスを崩した、ということです。
いやいや、おかしくないですか?という気持ちはわかります。
わかりますが、もう少し考えてみましょうか。
確かにインフルエンザの原因は、インフルエンザウィルスに感染することであって、その結果としてからだのバランスが崩れたといえます。
でも、ちょっと待って下さい。
インフルエンザウィルスに感染したら、誰もがインフルエンザを発症するのでしょうか?
答えは「否」です。
インフルエンザウィルスに感染しても、発症しない人は沢山いるわけです。
何かの病原菌に感染することで必ず病気になるのならば、もうたいへんな事になります。
なぜなら、世界中はウィルスや菌で満ち溢れているからです。
すなわち、様々なウィルスや菌に感染することは、日常的なこと、からだにとってはアタリマエのことでしかありません。
その上で、ウィルスや菌を排除しながら、からだはバランスを取っているのです。
このバランスが取れなくなった時に初めて、ウィルスが体内で猛威を振るうことが出来るわけです。
がんにおいても、同様です。
遺伝子エラーを持った細胞ががん細胞ですが、細胞にエラーは付き物です。
そもそもが、完璧な遺伝子情報を持った細胞などというものを探すほうが難しいのです。
エラーがあっても正常に動く様に出来ていたり、アポトーシスによって細胞を入れ替えたりすることでバランスを保っています。
また、がん細胞が出来た場合でも、免疫細胞によって排除することもあります。
これもまた、からだがバランスを取っていると言えます。
糖尿病は、もっと分かりやすいかも知れません。
人間が生きていくためには、血液中のブドウ糖は必要不可欠なものです。
このバランスを取るはたらきとして、インスリンやグルカゴンと言ったホルモンが分泌されることで、常にある程度のブドウ糖を確保し続ける仕組みがあります。
少々たくさん食べても調整することが出来ますし、逆に全く食べない日が少々あっても調整することが出来ます。
これら、様々なバランス調整機能が破綻したり、うまく働かなくなった時、その時に初めて病気ということになるのです。
病気を手術で治療するといいます。実際に患部を摘出して病気が治るわけですが、もう一歩踏み込んで考えると
手術前は、患部が体のバランスを取ることを邪魔していたのを、手術をして患部を取り除くことで、再び体のバランスが取れるようになったと言えるでしょう。
患部を取り去っても、体力やその他の原因で体のバランスを戻すことが出来なければ、手術は失敗に終わります。
高齢者など、手術ができないと先生方が言われる場合、患部を取り去っても、その後バランスを戻せないだろうと考えられるのです。
健康には普段からの生活習慣が大事だとよく言われます。
なんとも曖昧で、面倒なことも多く、その割に実感がわかないので、多くの方が続かないことになるわけです。
しかし、実感がないのもとうぜんです。
健康だと言われている間は、体がせっせとバランスをとってくれているので、少々のことではいつもと同じ状態です。
からだは出来るだけ現状を維持しようとしますので、良い影響も悪い影響も、徐々にしか反映されません。
いよいよ、となった時に初めて気づくというわけです。
日常生活を見直して、ひとつでも良いので健康に良い習慣を取り入れてみられてはどうでしょうか。