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ストレスは胃がんの原因なのか?

ストレスで胃に穴が開く、胃が痛くなるなどという言い方をすることがあります。
実際に、ストレスは胃の状態を悪くすることが知られていますし、実際に体験された方も多くおられるかと思います。

胃は、食事を消化するために胃液を分泌します。
胃液は非常に強力な酸です。食べたお肉が消化されるくらいです。胃壁を溶かすくらい何でもありません。
こんなに強力な胃液から胃壁を守るために、からだはせっせと胃粘膜を作り、胃酸が直接胃壁に触れないように頑張っています。

胃粘膜を常に良好な状態に保つためには、何よりも血流が大事です。
血液によって、酸素や栄養素など必要な物質を供給したり、いらなくなった老廃物を廃棄したりしなければ、胃粘膜の状態を保つことなど出来ないからです。

ストレスは、胃粘膜の血流を減少させることで胃の状態を悪化させるのです。

ストレスは胃がんの原因なのか?

胃がんと言えば、最も有名なのはヘリコバクター・ピロリでしょうか。
胃粘膜の一番奥に住み着き、がん細胞を作っていると考えられており、胃がんの原因の80%とも90%とも言われています。
割合については諸説ありますが、かなり大きな割合を占めていることは、多くの研究者の共通認識と考えて間違いありません。

ヘリコバクター・ピロリの圧倒的な数値を考えると、ストレスからの胃がんというのは、少々分の悪い話ではありますが、無縁だとまでは言えないでしょう。

がんの原因は「細胞の遺伝子異常」にあります。遺伝子異常は、様々なタイミングで発生します。
そのひとつは、細胞が分裂する時、新しく作られる時に「遺伝子の複製を失敗する」というものです。
ストレスで胃炎や胃潰瘍を患うということは、今までそこにあった細胞が傷つけられ、入れ替わるということを意味します。
10回に1回失敗するのなら、1000回入れ替われば100回の失敗が発生することでしょう。
入れ替わる回数が増えるほど、遺伝子の複製失敗も起こりやすくなるということです。

ストレスと胃がんは無縁なのか?

先程は、胃がんの原因についての話をしてきましたが、実際に胃がんが有る場合、ストレスはどの様に関係してくるのでしょうか。

実は、これには大きな関連があると言うことが研究発表されています。
2016年12月に、東京大学と日本医療研究開発機構によってなされた研究発表から一部を抜粋しますと、

胃がんが進行する過程で、がん細胞が異常な神経細胞を呼び寄せ、集まった神経細胞からのストレス刺激が増えることで、ストレスを受けた胃がん細胞がさらに成長するという、胃がんの発育と神経ストレスの密接な関連とそのメカニズムを明らかにしました。
神経ストレスが胃がんの進行を加速させるメカニズムを解明、新たな治療標的に

というのです。

この「神経成長因子」を抑える薬や、神経ストレスを放出する細胞を除去することで、胃がんの進行を抑えることができました。

という記載もあることから、ストレスの緩和が「胃がん治療にも大きく役立つ」ことが示唆されています。

ストレスは、胃がんを発生させる原因としては重要な位置づけでは無いものの、胃がんの進行に関しては非常に重要な役割を果たしていると言えそうです。